お歯黒 ラオ族女性独特の習慣

お歯黒 ラオ族女性独特の習慣


ライチャウ省タムドゥオン県のラオ族の人々の考え方では、歯を黒く染める習慣は女性に美しさ、魅力、洗練さだけでなく、多くの幸運をもたらすという意味も持っています。

タムドゥオン県のラオ族は人口が多くないコミュニティですが、今日に至るまで、多くの特別な伝統文化を保存し、維持しています。そのユニークな文化的特徴の一つは女性がお歯黒をする習慣です。

お歯黒をする習慣は、ラオ族の人々に古くから伝わる習慣の一つです。かつて、女性の美しく輝く黒い歯は、長くて輝く髪と同じくらい重要でした。歯を黒く染めるということは、女性が大人の生活への入口を示すものでもあります。歯を黒く染める女子は、多くの男子から注目を集めます。また、女の子が黒い歯を持つことは勤勉、創意工夫、忍耐力も示しています。

歯を黒く染めるラオ族の女性。

ラオ族の女性は自分で自分の歯を染めます。まず、染色する前に歯をきれいに、白くなるように洗います。染色するとき、黒くなった「マイトゥウ」の木の幹を燃やして煙を出します。薪が燃えている時に、鋳鉄片を使って煙を捕まえます。次に、人差し指の先で鋳鉄を数回こすり、歯が黒く光沢が出るまで歯にこすりつけます。その後1週間、1日1時間かけて何度も染めていきます。1回歯を染めると約2カ月間黒さが保たれます。


 

今でもお歯黒の習慣を保つタムドゥオンのラオ族とルー族の女性たち。


 

ここでは、結婚した時に何か忘れ物をしてしまったが、歯を黒く染める習慣や方法は絶対に忘れられないという女性も多いようです。彼女たちは短期間だけでなく、生涯にわたって歯を染めます。歯を染めることは、良い女性を判断するための「儀式」にさえなっています。歯を染めるのを怠る女子は怠け者であり、性格も女性の美しさの基準でも完璧ではないとみなされます。

お歯黒の習慣を今でも保っている西北部に残るラオ族とルー族。

近年、国の力強い発展に伴い、高地の人々全般、特にライチャウの生活はますます改善が進んでいます。この賞賛に値する発展には、伝統的な習慣を守るという課題も伴います。お歯黒の習慣も例外ではなく、ラオ族のコミュニティ自体の考え方に変化が生じています。政府や地域社会の注目により、ラオ族とルー族の歯を黒く染めるという美しくユニークな習慣は今でも保存され、尊重されています。

  • 文:タオ・ヴィ/ベトナムフォトジャーナル

  • 撮影:ヴィエット・クオン・ベトナムフォトジャーナル
    訳者:ソン・タム・クエン

 


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